ねごと日記

ラジオときどきPodcast

ギリギリのはなし

大学4年生の秋、私は締切ギリギリまで卒論を書いていた。
学部のルールで「最低でも4万字」書く必要があり、
400字詰め原稿用紙、100枚以上の超大作。
だいぶ苦労して、締切当日の朝、なんとか仕上がった。
提出要領を見ると、「同じものを2部提出すること」とある。
慌てて家のプリンターに用紙をセットし、印刷を始めた。
1部仕上がり、表紙をつけて糸で綴じている間に
もう1部を印刷し始めたのだが、
最初の1部は両面なのに、もう1部は片面印刷になっていることに、
終わってから、気がついた・・・。
「同じものを2部」という要領なのに、明らかに分厚さが違う。
大学への移動時間を考えても、家に残っているコピー用紙の量的にも、
もう一度両面印刷をする時間は残されていない。
 
これで単位を失ってしまったら・・・卒業できない・・・
両親に、内定先の企業に、なんて説明すれば・・・
私は軽くパニックを起こし、卒論を見てくれていた教授に
泣きながら電話をかけ、事情を説明した。
 
「そ、そうか・・・ちょっとわからないけど、とりあえず2部持ってきて!」
「ちょっとわからない」の言葉に、
「だめかも・・・」と半泣きのまま電車に飛び乗り、大学へ。
震えながら受付に厚みのおかしい2部の卒論を提出したのでした。
 
その後数ヶ月、せっかくの大学4年ライフを心から楽しむこともできず、
本当に気が気でなかったけれど、教授から「大丈夫だったよ」と言われた時には、
膝から崩れ落ちるほどホッとした。(多分崩れ落ちた)
本当にあの時の自分に言いたい。
計画的に、余裕を持ってね・・・